おでんは地域性の宝庫、っていうお話
- kujira-takahama
- Dec 16, 2025
- 14 min read
Updated: Dec 18, 2025
「関東煮」って関西の食べ物!?
地域によって全然違う「おでん」は魅力いっぱい!
まいどおおきに。
大阪の中央卸売市場で仲卸をやってる高浜康子です。
いよいよ冬本番、あったかい鍋ものが恋しい季節になってきましたね~!
ちょっと前まで暑い暑いと言ってましたが、一気に寒くなって、鍋でもしようかとスーパーに買い物行ったら、白菜とかうどんとか売り切れてて、「あぁ〜みんな同じこと考えてるんやな〜」と思って笑ってしまったりして(笑)。
最近は「○○鍋の素」とか、ちょっと前では聞いたこともない名前の鍋の素とかいろんなものがあって、「ほんまかいな〜」と思うものもありますが、選べるっちゅうのは楽しいし良いことですよね。
近頃、高浜商店のネットショップからは「高浜商店オリジナルはりはり鍋セット」のご注文も増えてきて、ほんまにうれしい限りです。
特に付属の特製のお出汁は、高浜商店を知り尽くした、仲良しの洋食やなぎさんが、鯨肉に合う出汁を監修してくれています!
これはほんまに美味しいですよ〜自信を持ってお届けします!
さて、今回は、鍋がテーマじゃなくて、「おでん」について書いてみました。
おうちおでんも、良いでしょ?
コンビニでもレジ横でおでん売ってたりするけど、皆さん疑問に思ったことないですか?
「おでん」と「関東煮(関東炊き)」って何が違うの?って。
関西のおでんやったら欠かせないのはタコ、ダイコン、牛すじ、たまご、ジャガイモはもちろん、他にも魚のすり身でつくった練り物やつみれ。
ちょっと贅沢品になってしもたけど、クジラのコロやさえずりは、鯨肉専門店としては絶対食べてほしい具材やね。
出汁に旨みとコクが加わって、ほんまええ味になるんよね~!
家でおでんつくるときは、もちろんコロは必須です。
地域によって具材や出汁の味に違いがあるそうですが、皆さんの好きな具材はなんですか?
今回はおでんについて、歴史や地域による違い、具材のバリエーションなどいろいろ調べてみました。
ちょっと読んでみたって~。

【目次】
串焼きから鍋物へ!おでんの歴史と変遷
おでんのルーツは、室町時代の「豆腐田楽」にあります。
拍子木型に切った豆腐を竹串に刺して焼き、味噌を付けて食べる料理が起源とされ、その名は、田植え時に豊穣祈願として笛や太鼓のリズムに合わせ舞った「田楽」という楽舞に見立てたと言われています。
「おでん」という名称は、「田楽」の女房言葉(宮中などで使われた丁寧な隠語)で、「田楽」に「お」を付けて丁寧にし、「楽」を省略して「おでん」となったと伝えられています。
江戸時代には豆腐田楽が庶民に親しまれるようになり、直方体の豆腐を串に刺したものを焼いて味噌を付けて食べるものが江戸名物となっていたそうです。
豆腐を題材にした「豆腐百珍」という1782年の料理本にも紹介されています。
田楽の種類も増え、魚やコンニャク、イモ類を使ったもの、焼かずに茹でて味噌をつけるものなどが生まれたそうです。
屋台や振り売り(行商人)により「おでん燗酒、甘いと辛い」の掛け声とともに提供されました。
「甘いと辛い」は、選べるみそだれ2種と考えられているそうです。
一方、大阪では、コンニャクを串に刺し、味噌を付ける「コンニャク田楽」が食されていました。
1856年の「浪速の風」という書物に「この地にてもこんにゃくの田楽をおしなべておでんという」という記載があるそうです。
江戸時代後期になると、近郊の銚子や野田で醤油の醸造が盛んになり、醤油で煮込むスタイルが登場し、現在のおでんの原型が生まれたという説があります。
明治20年(1887年)、東京・本郷の「呑喜」が汁気たっぷりの煮込みおでんを考案。
これが大正期に関西に伝わり、味噌だれのおでん(田楽)と区別して「関東煮(かんとだき/かんとうだき)」と呼ばれ、独自の進化を遂げとされています。
大正12年(1923年)の関東大震災の時には、炊出しメニューとして関西の料理人がふるまったともいわれています。
昭和初期から昭和20年代後半までは、おでんは屋台・専門店・駄菓子屋などで食べるものであり、家庭ではあまり食べられていなかったようです。
戦後の経済復興とともに、練り製品が惣菜や素材として市場などで販売され、さらに「汁の素」のような商品が発売されるなどして、家庭でもおでんが食べられるようになりました。
現在では、コンビニエンスストアでのおでん販売の増化や、個食に対応したレトルトパックの販売増などにより、気軽におでんが買えるようになっています。
また一品一品きれいに盛りつけた懐石風おでん、トマトやブロッコリーなど野菜豊富なおでん、夏場の冷やしおでんなど、さらに進化を遂げています。

※写真はPhotoACより
<参考サイト>
・Wikipedia - おでん
・紀文アカデミー - おでんの歴史
・おでんは田楽だった?
知ってましたか?!おでんと関東煮(関東炊き)の違い
大阪の人間にとって馴染み深い「関東煮」は、実は関東から伝わった煮込みおでんを、元々あった味噌田楽の「おでん」と区別するためにそう呼ばれているのだそうです。
味噌田楽は具材の温めと味付けが別で手間がかかるのに対し、煮込むだけで済むおでんは、屋台で手軽に食べられるものとしてまず関東で広まり、関西にも広まりました。
関東から伝わったから「関東煮」と名付けられたという説があります。
関東大震災の後、関東の料理人が関西に避難したり、関西の料理人が復興需要を見込んで関東に進出したりと行き来があったことがきっかけという説もありますが、震災前から「関東煮」を看板に掲げていた大阪の老舗店があることから、真偽は確かではありません。
また、中国の広東の煮込み料理をもじって「広東煮」と呼ばれ、それが変化して「関東煮」になったという説もあるそうです。
関東のおでんとの違いは、味付けと具材にあります。
共通して入っている具材はダイコン、卵、コンニャク、ちくわなどです。
関東のおでんは、濃口醤油とカツオ節の濃いめの出汁でしっかり味と色を付け、はんぺん、ちくわぶ、つみれなどを入れるのが特徴です。
関西の関東煮は、昆布出汁に淡口醤油がベースの少し甘い上品な味わいで、牛スジ、タコ、クジラの舌(さえずり)、クジラの皮(コロ)などを入れてコクを出します。

※写真はPhotoACより
<参考サイト>
・note - 「おでん」をなぜ関西では「関東煮」と呼ぶのか
・おでんと関東炊きの違いはだしと具!大根の下ゆでは必要?献立もご紹介します。
多彩!奥深い!おでんの具材あれこれ
紀文食品によると、家庭でおでんをつくる時に入れる具材は全国平均で8.24種類だそうです。
よく使われるおでんの具材について調べてみました。
<定番の具材>
【大根】
おでんの王様。
下ごしらえでは十文字に隠し包丁を入れ、米のとぎ汁で下茹ですると味がよく染み込む。
【玉子】
殻を剥いたゆで玉子を汁に入れておくと、黄身まで味が染み込んで美味しい。
【コンニャク】
下茹でして隠し包丁を入れると味が染み込みやすくなる。
糸コンニャク(白滝)を結んだものは鍋から取り出しやすく食べやすい。
【餅入り巾着】
油揚げの中に餅を入れ、カンピョウや爪楊枝で口を閉じたもの。

※写真はPhotoACより
<その他の人気具材>
【練りもの系】
魚のすり身を棒に巻いて焼いた「ちくわ」、魚のすり身に山芋や卵白を加え茹でてつくる「はんぺん」、イワシやサバなどを原料とした濃厚なうま味のある「つみれ」。
魚のすり身を揚げた「さつま揚げ」、棒状にしたゴボウやイカを魚のすり身で巻いた「ごぼう巻(ごぼ天)」や「いか巻(いか天)」、魚のすり身と豆腐を混ぜおわん型にして揚げた「魚河岸揚げ」、などバリエーション豊富。

※写真はPhotoACより
【豆腐系】
豆腐を揚げた「厚揚げ」、水気を切った豆腐にニンジン、ひじき、ゴマなどを加えて揚げた「ひろうす・がんもどき」、おでんの原型「田楽」にも使われた「焼き豆腐」など。
ちなみに、関西では「ひろうす(飛龍頭)」、関東では「がんもどき(雁擬き)」と呼び名の異なる具材。
天保8年(1837年)から30年の間に書かれた「守貞漫稿」によると「京坂ニテヒリヤウズ、江戸ニテガンモドキト云」という記載があり、江戸後期にはすでに分かれていたそうです。
「がんもどき(雁擬き)」とは、『雁の肉のような料理』という意味で、いわゆる「もどき料理」は精進料理のひとつとのこと。
豆腐にいろいろな具材を混ぜ合わすことで、さまざまな動物の肉に見立てて食していたものなんだそうです。
さらにちなむと、「ひろうす(飛龍頭)」の語源はポルトガル菓子のフィリョース(Filhós)とのこと。
戦国時代に渡来してきた甘〜い食べ物だったんだそうですが、それがなぜおでんの具材の「ひろうす(飛龍頭)」になっていったんやろか?
諸説あるそうですから、興味のある人は調べてみてね(私は断念)。

※写真はPhotoACより
【肉系】
関西のおでんには欠かせない「牛スジ」は、コクと旨みの源。
しっかり下茹でするか、最近なら圧力鍋で柔らかくしたものを串に刺して使う。
食べやすい「つくね」、子どもに人気の「ウインナー」、キャベツの甘味と肉の旨みを味わえる「ロールキャベツ」なんかも今風やね。
ちなみに、関西で「スジ」といえば牛スジですが、東京など関東近辺では「魚のスジ」(鮫のスジや軟骨を主原料とした練り物)のことを指すそうです。
最近は牛スジのほうが全国的に有名になり、知る人ぞ知るおでん種になってしまったみたいです。
その昔、東京浅草でおでんを食べたとき、「スジ」と注文したら「鮫軟骨の練り物」が出てきたんでビックリしました。

※写真はPhotoACより
【鯨肉】
関西のおでんならではの具材が鯨肉で、よく使われる部位は「コロ」と「さえずり」。
<コロ>
背側の黒皮とその下の脂肪層である本皮を加熱して脂肪分を落とし乾燥させたものを「干コロ」といい、そのほとんどが脂肪分とゼラチン質。
特有のコクがある。
<さえずり>
クジラの舌で、脂肪分が豊富。根もとと舌先では味や歯ごたえが異なる。

【海鮮系】
「タコ」はめん棒で叩いて下茹ですることで、煮汁への色移りが防げる。
じっくり煮込んで柔らかい食感に。
「ホタテ」は煮込み過ぎると固くなるので、おでんができあがる直前に加える。
ベビーホタテを串に刺して入れても。

※写真はPhotoACより
【野菜系】
「ジャガイモ」は煮崩れしやすいので丸ごと下茹でしたものを後半に加えるか、別の鍋で調理する。
「里芋」や「ニンジン」も下茹でを。
近年人気を集める「トマト」は、湯むきしたものを仕上げに加える。
「トウモロコシ」は電子レンジなどで加熱し輪切りしたものを。
小さい「タマネギ」を丸ごと煮込むと、甘みと旨みが増して美味しい。

※写真はPhotoACより
<参考サイト>
・「おでん」の具といえばこれ!定番や変わり種などおすすめの具材をまとめてご紹介
・紀文アカデミー - 基礎:おでんの具と地域性
・東京おでんだね「おでん種カタログ」
地域による特色豊かなご当地おでん
日本全国には、出汁や具材に特産品を使った、その土地ならではの「ご当地おでん」が存在します。
いくつご存じですか?
【青森おでん】
青森市周辺では津軽味噌(米の赤味噌)を使ったショウガ味噌だれを付けて食べる。
戦後、青森から北海道へ渡る青函連絡船の乗客を温めるために、おでんの上にショウガ味噌をかけたのが始まりと言われている。
ホタテ貝やツブ貝、タケノコ(根曲がり竹)、白コンニャクを入れるのが特徴。

※写真はPhotoACより
【仙台おでん】
焼き干しイワシに塩味のすっきりした味わいの出汁が特徴。
サンマ団子、根曲がり竹、結び昆布などを入れる。
【東京おでん】
濃口醤油とカツオ節を効かせた伝統的な味。
ちくわぶ、はんぺんが定番。
はんぺんに使うサメのすり身をとった後のスジ・軟骨に白身魚のすり身を混ぜてつくる練り物は「スジ」と呼ばれ、関東でよく具材に使われる。

※写真はPhotoACより
【静岡おでん】
濃口醤油ベースのスープに牛スジや鶏肉から取った出汁をつぎ足してつくる真っ黒な汁が特徴。
黒はんぺん、なると巻、豚モツなどを竹串に刺して入れ、出汁粉(イワシやカツオの粉)と青のりをかけて食べる。

※写真はPhotoACより
【名古屋みそおでん】
八丁味噌と三温糖などでつくる甘辛い汁で濃厚な味付け。
ぐつぐつ長時間煮込む方法と、醤油ベースのおでんに調理みそをかける方法がある。
豚モツ、角麩、焼き豆腐などを入れる。

※写真はPhotoACより
【金沢おでん】
昆布や魚介から取った塩味の出汁の、ほんのりと甘く優しい味わい。
カニの殻に身や味噌を詰めた「カニ面」、バイ貝など豪華な海の幸や、車麩、源助大根などの加賀野菜を入れたものなどさまざま。

※写真はPhotoACより
【大阪の関東煮】
昆布出汁に鶏出汁でコクを加え、牛スジ、タコ、ゴボウ巻などを入れる。

【京都おでん】
昆布と淡口醤油の出汁で、豆腐、ひろうす(がんもどき)、湯葉、聖護院大根、海老芋などをほんのりとした味付けに仕上げる。
【姫路おでん】
濃く甘い味付けのおでんと薄味のおでんがあり、どちらもショウガ醤油だれを付けて食べるのが特徴。
牛スジ、タコ、ゴボウ巻などを入れる。

※写真はPhotoACより
【福岡おでん】
合わせ出汁に牛スジでコクを加えた汁でつくる。
博多では、魚のすり身で餃子を巻いた「餃子巻」が名物。
小倉では、餅入り巾着にキャベツが入る。

※写真はPhotoACより
【鹿児島おでん】
豚骨出汁と麦味噌の甘めの味付けで、具の大豆モヤシ、つけ揚、厚揚げが特徴、豚のスペアリブも入れる。
骨付きのあばら豚肉をコンニャクなどの具材とやわらかく煮込んだ伝統料理「豚骨」から変化したとも言われている。
【沖縄おでん】
カツオと豚足の出汁で、シンプルながらコクのある味わい。
豚足(テビチ)、青菜、ソーセージが入る。

※写真はPhotoACより
<参考サイト>
・紀文アカデミー - 日本のご当地おでん
・じゃらん - 日本各地のご当地おでん10選
“おでん種”専門店っていうのもあるんです
東京にはおでん種専門店が多くあります。
江戸時代から魚河岸に多くの魚が集まっていたため、蒲鉾店の数も多く、昭和50年代には300軒近くが営業していたそうです。
現在では食文化の多様化や店主の高齢化などにより、40軒前後となっているとのことです。
魚河岸のあった築地場外市場にあるおでん専門店について、いくつか調べてみました。
【紀文食品 総本店】
昭和15年(1940年)開店の老舗。
日本を代表する水産練り製品メーカーの原点。
職人が店奥で練り物を揚げる様子を見ることができる。
【味の浜藤 築地本店】
福岡県豊前市出身の創業者が築地で開業。
おでん種や西京漬を製造販売している。
【花岡商店】
業者向けのおでん種卸と小売を続ける専門店。
全国から仕入れたおでん種が揃い、牛スジ、イワシ団子、ちくわぶ、黒はんぺんなど、おでんに必要なあらゆる食材を購入できる。
【丸玉水産加工】
80年以上の歴史を持つ手づくりおでん種の専門店。
おでん種の盛り合わせが袋詰めで販売されており、手軽に購入できる。

※写真はPhotoACより
<参考サイト>
・東京都のおでん種専門店の数2024
・築地場外市場のおでん種専門店紹介
・築地場外市場公式サイト - おでん・練製品
<高浜商店の美味しいお魚>
鯨コロ
ネットショップでは正式に取り扱っていませんが、お問い合わせいただければもちろん対応させていただきます。
鯨コロとは、クジラの皮下脂肪を鯨油で揚げて作られる加工食品です。
特に、関西地方ではおでんの具材として親しまれています。
鯨コロの製造方法
鯨コロは、クジラの皮(皮下脂肪)の部分を使用します。この皮下脂肪を鯨油で揚げることで作られます。この工程は高度な技術を要します。
鯨コロの特徴
食感: 汁を吸うともちもちとした食感になります。
風味: コラーゲンが豊富で、臭みが少ないのが特徴です。
別名: 「イリカス」とも呼ばれることがあります。
鯨コロの調理方法
鯨コロはそのままでは食べられないため、調理が必要です。
水で戻す: 水に一晩浸して柔らかくします。
下処理: 臭みを取るために一度茹でこぼすのがおすすめです。
料理: おでんや煮物、ヌタ和えなどにして食べられます。
地域性
鯨コロは、特に大阪など関西地方でおでんの定番具材として知られています。
和歌山県太地町では、ヌタ和えや煮物にも使われます。
ご購入や詳しい情報については、メールなどでお問い合わせください。









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