捕鯨船の歴史と現在、っていうお話
Updated: May 19
鯨食文化は捕鯨船の進化とともにあり!
最新鋭の「関鯨丸」はまるで冷凍食品工場、ってどういうこと?
まいどおおきに。
大阪の中央卸売市場で鯨肉の仲卸をやってる高浜康子です。
みなさん、知ってくれてます?!鯨肉が健康に良いってこと。
過去にも何度かブログで書いていますが、鯨肉は栄養豊富で、特に「バレニン」ていう成分が注目されてるんですけど、先日とっても興味深いニュースを見つけました!
バレニンが、脳の難病であるパーキンソン病の予防に役立つ可能性があるかも、っていう研究が報告されたんやて。
パーキンソン病っていうのは、ウィキペディアによると「手の震え、動作や歩行の困難など運動障害を示す、進行性の神経変性疾患である。多岐に渡る症状があることで知られ、進行すると自力歩行も困難となり、車椅子や寝たきりになる場合がある。」っていう怖い病気です。
10万人に100人~180人くらいで、65歳以上では100人に約1人(10万人に1000人)で、高齢になるほど多くなるらしいです。
バレニンはクジラの筋肉に多く含まれるアミノ酸で、疲労回復効果などがあることが分かってるんやけど、認知機能障害の改善などにも期待できるんやそうです。
今回はマウスでの研究結果の報告やけど、人でも効果を確認できたら新たな治療法につながりそうとのこと。
今後の報告に期待やね~!
ところで、みなさんは科学雑誌の「Newton」ってご存じですか。
最近出たその別冊号として「鯨と人類」が発売されています。
中身はネタばれてしまうから怒られるので書かんけど、クジラにまつわるいろいろなお話が書かれていました。
勉強になります。
その中で捕鯨船に関する歴史のお話や、現在、世界で最新鋭の商業鯨捕母船の「関鯨丸」の中や働きなどについても書かれてるんですよ。
共同船舶株式会社の所社長と写真撮らせてもらったり、セリで一番値付けさせてもらったご縁もあって、気になってしゃ〜ない(笑)。
ということで今回は、ちょっとそっちよりにして捕鯨船について色々調べてみました。
古式捕鯨の時代に活躍した船から、最新鋭の捕鯨母船「関鯨丸」の活躍ぶりまで、興味深い話題が盛りだくさん!
ちょっと読んでみたって~。
写真は謝罪会見違いますよ。
一番値付けたときのマスコミさんの囲み取材の様子です。

<参考>
・クジラ肉に豊富な「バレニン」、パーキンソン病の進行抑制か 神経細胞内の修復機能を促進
【目次】
・日本の捕鯨を支える共同船舶(株)とは?
古式捕鯨の捕鯨船について
捕鯨に船は欠かせません。
日本では、クジラを銛で突き、船で引かせて弱らせ捕獲する“古式捕鯨”が1570年頃から始まったとされます。
当初は外洋へ出ることなく、沿岸でクジラを獲っていたため、船は全長約10メートル、幅約2メートル程度のものでした。
12~15人乗りで、6~8丁の櫓で漕いだり、帆走したりしていたそうです。
船の種類は様々で、網掛突取の場合、クジラを追って銛を打つ「勢子船」、網を張る「網船(双海船)」、仕留めたクジラを運ぶ「持双船(持左右船)」、網を浮かせるための樽を拾う「樽船」、操業中の各船に道具や食料などを運ぶ「納屋船(道具舟)」などがありました。
これらの船には、地域により異なる様々な装飾が施されました。
中でも紀州太地の船、特に勢子船には花や縁起物などが絢爛豪華にあしらわれていたとか。
その理由としては、共同体内での序列を示すためだったという説や、殺生への懺悔やクジラの成仏への願いが込められているという説があるそうです。

※写真はPhotoACより
日本の捕鯨の象徴とも言われる「日新丸」とは
幕末になると、欧米の大規模な捕鯨船団が鯨油を目的として日本近海でクジラを乱獲したことにより、日本の沿岸捕鯨は一時的に衰退しました。
しかし明治時代に捕鯨砲を使ったノルウェー式捕鯨法が導入されると、クジラの供給量は回復しました。
1899年に実業家の岡十郎が日本初のノルウェー式捕鯨会社である「日本遠洋漁業株式会社」を創立し、日本初の国産鉄製捕鯨船「第一長周丸」を建造しました。
この船は半年余りで42頭のクジラを捕獲しましたが、1901年に暴風雨のため座礁、沈没したとのことです。
1936年には、「大洋漁業株式会社」の前身「林兼商店」創業者の中部幾次郎が、国内初の国産捕鯨母船「日新丸」と、8隻のキャッチャーボートを建造しました。
この船は1,100頭余りのクジラを捕獲したそうです。
歴史上で「日新丸」と命名された捕鯨母船は3隻あるほか、「第一日新丸」「第二日新丸(初代・2代)」「第三日新丸」、また林兼商店や日本共同捕鯨の持ち船として同名船が多数存在し、日本の捕鯨の象徴と呼ばれているそうです。
「共同船舶株式会社」保有の3代目の日新丸は、大型トロール船「筑前丸」として誕生し、1991年、捕鯨母船に改造されました。
竣工以来世界唯一の捕鯨母船で、1987年から2019年に行われた日本の調査捕鯨では調査母船となっていました。
反捕鯨団体による妨害や2度に渡る火災など様々な苦難を乗り越え、日本の捕鯨の伝統と技術を継承し、商業捕鯨の再開へと導きましたが、2023年11月、老朽化のため36年の船齢を全うし現役を引退しました。

※写真はPhotoACより
<参考サイト>
・wikipedia 日新丸
・捕鯨母船『日新丸』最後の航海へ!今年11月に36年の船齢を全うし現役を引退
最新鋭の捕鯨母船「関鯨丸」について
日本の母船式捕鯨の捕鯨母船の役割を長年担ってきた「日新丸」の後継が、2024年から操業を開始している最新鋭の捕鯨母船「関鯨丸」です。
共同船舶(株)によって73年ぶりに新造された捕鯨母船である関鯨丸は、全長112.6メートル、幅は約21メートル、総トン数9299トン、乗組員は約100名。
航海速力は約12ノット、航続距離は約1万1000海里以上で、南極海など遠洋への航海も可能です。
その高い機能と環境に配慮した設計が高く評価され、2024年に「シップ・オブ・ザ・イヤー」(日本船舶海洋工学会主催)の「漁船・調査船部門賞」を受賞しました。
特徴の一つが、モーター駆動の電気推進システムを採用していることで、これにより大幅な省エネを実現。
また船底部にある機関室の上の解剖デッキの位置を下げることができ、捕獲したクジラを引き揚げるための傾斜角度が緩やかになったため、ナガス鯨など従来は引き上げられなかった70トン級の大型のクジラも捕獲できるようになりました。
また、クジラの解体・加工・冷凍・保管をすべて船内で行うことができる「海の上の冷凍食品工場」として、作業を効率的かつ衛生的に行える様々な工夫が施されています。
解体デッキは完全に屋内になったため、海水や雨などの天候の影響を受けることなく衛生的に解体作業が行えます。
全長65メートルのポリエチレン製の床をまな板として、ニタリ鯨なら2時間、ナガス鯨でも4時間で解体できるそうです。
解体された鯨肉は、切り分け、洗浄、真空パック、冷凍、箱詰め、ラベル貼り、保管まで、一度も外気にさらすことなく出荷可能な状態にでき、衛生面と鮮度管理が大幅に向上しました。
保管のための40基のコンテナは、それぞれの量や用途に合わせて個別に温度設定ができるため、省エネと品質向上を実現しています。
さらに、最新鋭の航海支援システムや衛星通信なども導入し、乗組員の安全性と快適性も大幅に向上したそうです。
関鯨丸の上部には大型のドローンの格納庫と専用デッキが完備されており、従来の船上からの目視によるクジラ探索に加え、将来的には空からより広い範囲を探すことが可能になると期待されています。
母船式捕鯨は、関鯨丸のような捕鯨母船と、「キャッチャーボート」と呼ばれる捕鯨船(目視採集船)が連携して行われます。
共同船舶(株)では、「勇新丸」「第二勇新丸」「第三勇新丸」の3隻のキャッチャーボートを所有しています。
母船とキャッチャーボートで船団を組み、初夏から晩秋にかけて拠点である下関港を出港します。
主な漁場は太平洋沿岸で、千葉から北海道までの200海里内を北上しながら操業しています。
実際の捕鯨の流れは、まずクジラを探すことから始まります。
肉眼と双眼鏡を使って、クジラが海面に浮上した際の潮吹きや、わずかに現れた背中や尾びれなどを手掛かりに探します。
クジラを見つけると、捕鯨対象種かどうかを正確に判定します。
対象鯨種はナガス鯨、イワシ鯨、ニタリ鯨です。
確認できたら、キャッチャーボートでクジラを追いかけます。
射程距離に入ってクジラが海面に浮上するチャンスを狙い、熟練の砲手によって慎重に銛が打ち込まれます。
命中したらロープを巻き寄せてクジラを引き寄せ、船の左舷に尾羽をチェーンで固定し、母船に近付いてクジラを受け渡します。
母船からのワイヤーを接続してウインチで巻き寄せ、解剖デッキに引き揚げ、解体、加工が行われます。
「母船式捕鯨業」に対し、「小型捕鯨業」は「基地式捕鯨業」とも言い、網走、鮎川、和田などを拠点港とし、ミンク鯨、ツチ鯨、コビレゴンドウ、オキゴンドウを対象鯨種としています。

日本の捕鯨を支える共同船舶(株)とは?
共同船舶(株)は、世界で唯一「母船式捕鯨」を行っている企業です。
農林水産大臣の許可のもと、生態系のバランスに配慮したサステナブルな捕鯨を目指し、領海および排他的経済水域内でクジラの捕獲を行っています。
また、鯨類の資源量を推定するための目視調査やIWC(国際捕鯨委員会)との共同調査、また生物学的解明を目的とした生物調査などを行っているんやって〜。
スゴいですよね!
クジラのプロフェッショナルとして、「捕鯨事業」「調査事業」という2つの事業を通じて、鯨肉の安定供給や鯨食文化の普及、水産資源の保存に貢献してくれています。
これからも頑張って欲しいですね。

<参考サイト>
・共同船舶株式会社
資源量を守る厳しい捕獲枠を適用
2019年7月より商業捕鯨が再開され、現在の捕獲対象はミンク鯨、ニタリ鯨、イワシ鯨に、2024年7月からナガス鯨を加えた4種となったそうです。
操業海域は日本の領海およびEEZ(排他的経済水域)内に限定され、捕獲枠はIWCで合意した極めて厳格な改定管理方式(RMP)により算出されています。
その結果、捕獲量はニタリ鯨で資源推定値の0.9%、イワシ鯨では0.3%と、かなり少なめに設定されています。
仮に100年間捕獲し続けても資源に何ら悪影響を及ぼすことがないと水産庁も太鼓判を押すほど、保守的な捕獲枠です。
「RMP(改定管理方式)」とは、ヒゲ鯨類の捕獲可能量を計算するための計算式を含む手続きを定めたもので、資源を将来にわたり枯渇させないような捕獲枠を自動的に算出するアルゴリズムなんやて。
1992年にIWC科学委員会で開発され、1994 年にIWC総会で採択されたそうです。
RMPでは、「ライントランセクト法」という統計手法などで得られた推定資源量と過去の捕獲量から捕獲可能量を算出するほか、さまざまな要因を考慮して膨大なシミュレーションを行い、100年間獲り続けても資源に悪影響がないことを確かめます。
ある鯨種の資源量が初期資源量(大規模な捕獲が開始される前の資源量)の54%を上回る場合に限り、捕獲可能量の算出が認められているっていうんやから、ほんまに厳しく管理されてるのが分かりますよね。
【大型鯨類のTAC(漁獲可能量)配分数量:令和7管理年度(令和7年1月1日~12月31日)】

◎水産庁ホームページ「改訂管理方式(RMP)による捕獲可能量の算出」より作成
※1:捕獲可能量はIWCで採択された算出方式により算出 ※2:定置網による混獲数を捕獲可能量から差し引いている。
<参考サイト>
・水産庁 捕鯨の部屋
・水産庁 RMP(改訂管理方式)の概要
《クジラの豆知識》鯨肉の機能性表示食品について
共同船舶(株)は2021年11月に、鯨肉初の機能性表示食品として「凍温熟成鯨赤肉」と「鯨本皮」の2商品を発売したんやて。
クジラの筋肉に多く含まれる「バレニン」などのイミダゾールペプチドは、一時的な疲労感やストレスの軽減に役立つ機能があることが報告されています。
「凍温熟成鯨赤肉」は、一時的な疲労感やストレスが気になる中高年層をターゲットにしています。
またクジラの皮に多く含まれるDHAには、記憶力の維持に役立つ機能があることが報告されています。
「鯨本皮」は、記憶力が気になる健常な中高年層をターゲットにしています。
「凍温熟成鯨赤肉」は、2025年11月27日「第8回ウェルネスフードアワード2025」ミール部門で金賞を受賞。
また、2026年2月25日~27日開催の「健康博覧会2026」にて、来場者の投票により決定する「新商品アワード」に選出されたんやて〜。
気になるよね〜その世代としては(汗)。。。

↑ 凍温熟成鯨赤肉 ↓ 鯨本皮

<参考サイト>
・水産白書 捕鯨関係(抜粋)
・クジラの機能性表示食品、共同船舶が11月24日発売
・「凍温熟成鯨赤肉」ウェルネスフードアワード2025ミール部門で金賞受賞!
・健康博覧会 初の新商品アワードに5品 機能性表示食品の鯨肉、乳酸菌など
《クジラの美味しい部位をご紹介㉑》頭肉

頭肉(あたまにく)は、クジラのあごの付け根の深い部分、目の奥から上あごの上にあります。
「クジラのシャトーブリアン」とも言われ、1頭からわずかしか取れないとても希少な部位です。
美しいサシの入った霜降り状で、少し弾力があり噛むほどに甘みが感じられます。
半解凍状態でカットしてお刺身で味わうほか、ゴマ油、醤油、卵黄などを混ぜてユッケにしたり、塩やスパイスでシンプルに味付けしたステーキにしたりするのがおすすめ。
たま〜に高浜商店にも入荷したりするんで、興味ある方はご連絡くださいね。
ほとんど無いけど。。。

<参考サイト>
・いろんな部位を食べてみたい人必見!おいしいクジラ肉をそろえる通販サイト5選
・らじっく 頭肉(あたまにく)ヤバいです
・関太郎印のくじら くじら赤肉(赤身・刺身など)
《おうちでも簡単!鯨肉実践レシピ㉑》高級肉を家庭で美味しく焼くコツ
上質な鯨肉が手に入ったら、ステーキとして味わってみませんか。
素材の魅力を活かすため、味付けは塩とコショウなどシンプルに。
ちょっとしたコツを押さえれば、ご家庭でも絶品の一皿になりますよ。
【解凍】
冷凍肉は、冷蔵庫でゆっくり解凍します。
急速に解凍してしまうと、細胞の中の氷が細胞を傷つけることにより、ドリップと呼ばれる肉汁が出てしまいます。
【下準備】
厚い肉は焼く前に常温に戻すと、中まで火を通す時間が短縮できます。
家庭で使う程度の厚さであれば、冷蔵庫から出したばかりでも良いようです。
キッチンペーパーなどで表面の余分な水分を取り除いておきます。
塩は、焼く直前に、全体に均一に振ります。
厚い肉や脂の多いところは多めに。
薄い場合は表面にさっと振る程度で大丈夫です。
【焼く】
フライパンを熱して油を多めに入れ、充分に熱してから肉を置き、強火で約30秒焼きます。
油はオリーブオイルやゴマ油、米油などがおすすめ。
裏返して約30秒焼き、弱火にして肉をトングで立て、脂身のある側面を30秒ずつ焼いていきます。
表面に焼き色をしっかり付けることで、香ばしさが生まれ、旨み成分を閉じ込めることができます。
【休ませる】
表面に焼き色が付いたらフライパンから肉をいったん取り出し、休ませます。
焼いた表面の熱が内部に伝わり、肉全体の温度がゆっくり上がっていきます。
2~3分経ったらフライパンに戻し、焼く工程を、好みの焼き加減になるまで繰り返します。
コショウは焼くと焦げた苦みが出やすいため、仕上げに振るのがおすすめ。
<参考サイト>
・本当においしいステーキの焼き方レシピ!フライパンで簡単に初心者でも上手に焼くコツを解説
・【お家で簡単】フライパンで極上!シャトーブリアンの焼き方完全ガイド
<高浜商店の美味しいお魚>
イワシ鯨 尾の身 1級品
上質な鯨肉の代名刺「尾の身」、霜降の赤身肉。
今回は、超希少・超破格イワシ鯨 尾の身 1級品のご紹介です。
こんなにキレイなサシの入った尾の身は市場内でもめったに出回らない超希少品です。
全体的に脂のりが良く細かなサシが入り、本当に上質な尾の身の部分のみ厳選しています。
クジラの背びれから尻尾の付け根までの部位で、鯨肉の中でも高級といわれる部位が「尾の身」です。
その尾の身にもランクがあって、サシ(脂)の入り方で大きくクラスが変わります。
今回はその高級品の尾の身の中でも肉色のいい最上質な1級品のみを厳選してお届けします。
鯨肉専門店だからできるお値打ちパックです。
ブロック肉でお届けするのでお好みの厚さに切ってお召し上がりください。
火を通すなんてもったいない!!
ぜひぜひお刺身でお召しあがりください。
もちもちとした食感で、味にはクセがなく、独特の旨味が口の中に広がります。生姜醤油や、ニンニク醤油につけて食べるのがおすすめです!
真空袋から取り出し、冷蔵庫で半解凍させてから、お好みのサイズにカットしてお召し上がりください。
火を通しすぎると身が堅くなるので、お気を付けください。
今回は100g、200g、300gのパックをご用意しています。


<高浜商店の商品紹介>
イワシ鯨 尾の身 1級品





Comments