魚を冷凍するメリットは保存性だけやない!
家庭でも上手に冷凍して美味しく食べてや~!
まいどおおきに。
大阪の中央卸売市場で仲卸をやってる高浜康子です。
暑すぎる毎日が続きますが、食欲落ちたりしてませんか?
夏バテせんようしっかり食べて体力をつけたいですよね。
毎日買い物に出かけるのもしんどいからまとめ買いをしときたいけど、新鮮な魚を買うてもすぐ傷むし…なんて困ってる人いませんか?
そんな時こそおすすめしたいのが、冷凍魚です!
魚は冷凍したら味が落ちるんとちゃう?って思ってる人もいるかもしれんけど、実は冷凍技術ってものすごく進化してて、味も栄養価も生と同じ、いやそれ以上!?になってるものもいっぱいあるんですよ!
先日、干物が欲しいってお客さんがいて、たくさん買うてくれてんけど、冷凍保存しといて、使うときは冷凍のまま焼いて食べるようにしてるんですって。
鮮魚を冷凍するよりも美味しく長持ちさせることができるから、美味しさもたっぷり、手間なく簡単で、皆さんにもぜひ真似して欲しい食べ方やなと思いました。
今回は、保存しやすくて美味しくてメリットだらけの冷凍魚について色々調べてみました。
ちょっと読んでみたって~。
【目次】
新鮮、安全!冷凍魚のメリットとは
漁港の近くに住む人なら日々新鮮なお魚を入手できるけど、多くの人がお魚をスーパーで購入してるんやないでしょうか。
考えてみたら、近くの漁港で獲れたものだけじゃなく、日本中、また世界中のお魚を食べられるのってすごいことですよね。
流通や冷凍技術の発達ってものすごいわ~!
魚を冷凍する最大のメリットは、保存がきくことですよね。
魚は水分量が多くて肉質が弱く、内臓やエラにいる微生物により腐敗が進むことから、他の食材と比較しても鮮度が落ちるのがとても速いんです。
細胞を壊しにくい急速冷凍であれば、旨みや栄養を保ったまま冷凍することができます。
水揚げした直後に冷凍処理を行ってたりして、なんやったら鮮魚より新鮮な場合も多いんやって!
また魚を冷凍することにより、寄生虫を死滅させられるそうです。
魚介類に寄生するアニキサスは、魚が死ぬと内臓から筋肉に移動します。
その魚を食べた人間の体内にアニキサスが侵入してしまうと食中毒となり激しい腹痛を引き起こし、手術が必要になることもあるようです。
アニキサス症の患者数は年々増加していますが、その背景には流通の発達により漁獲地から遠方でも生食が可能になった(なってしまった)ことや、アニキサスの認知度の高まりにより医療機関を受診する人が増えたことがあると考えられています。
アニキサスはマイナス20℃で24時間冷凍することによって死滅すると言われています。
自分で魚を釣った場合は、できるだけ早く内臓を取り除き、冷凍庫で凍らせるとリスクを下げられるそうです。
北海道の郷土料理に「ルイベ」というものがあるのを知ってますか?
鮭を冷凍したまま薄くスライスし、刺身として食べる料理です。
保存性を高め寄生虫のリスクを解消する、先人の知恵が生かされた優れた調理法なんですよ。
ただし家庭の冷蔵庫の冷凍室は通常マイナス10℃前後なので、家でつくるのは避けたほうが良いようです。
<参考サイト>
・冷凍魚のメリット
・急速冷凍で鮮魚のビジネス拡大!水産加工・卸から飲食店まで必見
・食品安全委員会 アニサキス症(概要)
・【アニサキス症】食中毒激増!背景に2つの理由
・郷土料理「ルイベ」と寄生虫
魚の保存の歴史と冷凍技術の進化
食べ物は冷凍してマイナス18℃以下にすると、細菌やカビが繁殖できず長期間保存できるようになるそうです。
遠い漁獲地や世界各国からの魚を美味しく食べられるのは、冷凍技術が発展したおかげなんですね。
日本人は古くから魚を食べてきたけど、冷凍という保存法がない時代には、魚をどうやって保存していたのでしょうか?
代表的なのは、乾燥させて水分を抜く干物。
内臓を取り除いて開き、塩水につけて干す「塩干し」や、内臓を取った後茹でてから干す「煮干し」、丸ごと焼いてから干す「焼き干し」などがあります。
また、魚を塩漬けにしてごはんを詰め、さらに漬け込んで発酵させる「なれずし」や、煙でいぶして表面に膜をつくり、雑菌の侵入を防ぐ「燻製」。
油やアルコールに漬け込み空気を遮断して細菌の繁殖を防ぐ「油漬け」や「粕漬け」、酢に含まれる酢酸が細菌の繁殖を防ぐ締めサバなどの「酢漬け」も、昔から行われている保存法です。
室町時代頃から国内海運・国際貿易が盛んになり、江戸時代には仲買人という職業が生まれて生産と流通の分業化が進みました。
まだ発動機などによる動力が存在せず、沿岸域の人手による漁業が中心で、水産物は上記のような加工により保存されていたようです。
明治初期にトロール漁船がディーゼルエンジン化され、遠洋漁業が可能になりました。
当時は獲った魚を港に持ち帰るまで、氷を使って鮮度の維持が行われていましたが、それには限界があったそうです。
また明治時代には瓶詰や缶詰などの長期保存技術の開発が進み、明治10年(1877年)以降、缶詰工場で本格的な生産が行われるようになりました。
大正から昭和初期にかけて漁船の大型化が進み、漁船内で水産物を冷凍保存できる技術が取り入れられるようになりました。
陸上では、大正8年(1919年)北海道に魚を冷凍加工する工場が建設され、また国産の冷凍機が開発されました。
昭和8年(1933年)には漁船に魚介類のフィレを急速冷凍できるコンタクトフリーザーが導入されるようになり、魚介類の品質が飛躍的に向上していったそうです。
第二次世界大戦の終戦後は食糧難を乗り切るため、南極海から新鮮な冷凍鯨肉が運ばれました。
北洋では、サケ・マス、カニ漁業が、漁獲したものを原料とした高級缶詰の欧州向け輸出の拡大とともに発展したとのことです。
高度経済成長期に入ると食料品の需要が増加し、冷凍品の消費も年々増えました。
それに伴い、冷凍品の品質管理についても整備が進みました。昭和34年(1959年)には冷凍食品のマイナス15℃以下での保管が義務づけられ、昭和40年(1965年)には国内各地の低温流通ネットワークの整備が行われ、昭和50年(1975年)以降は冷凍品の流通保管温度をマイナス18℃以下とする取り扱い基準が策定されました。
技術面では、1960年頃から、食べ物の細胞をあまり壊さず冷凍する「急速冷凍」が実用化され、船上でのマグロなどの冷凍保存に活用されるようになりました。
食べ物の中の水分が凍り始めると、約マイナス1℃からマイナス5℃の間では氷の結晶が成長していきます。
この温度帯をできるだけ早く通過させることで、多くの氷の結晶が大きくならず、細胞が壊れにくいという仕組みです。
さらに急速冷凍後もマイナス50度以下という低温で保存することで、美味しさがぐんと長持ちするようになりました。
急速冷凍に次いで登場したのが「瞬間冷凍」です。
氷の結晶の核になる水分子などのかたまりがないと、温度がマイナス10˚Cになっても凍り始めないことがあり、その状態を「過冷却」と言います。
そこに振動を与えて全体を一気に冷凍させるのが瞬間冷凍です。
さらに近年注目されているのが、「CAS(Cells Alive System)」という瞬間冷凍の技術です。
反転を繰り返す磁場の中に食べ物を置き、水分子を細かく振動させながら急速冷凍するもので、表面も内部もほぼ同時に凍るため、氷の結晶が大きくならず細胞をほとんど壊さないそうです。
<参考サイト>
・保存食には「先人の知恵」が凝縮されている
・水産庁 水産業に関する技術の発展の歴史
・食べものをおいしいまま長期間保存する、進んだ日本の冷凍技術
・魚の凍結から始まった 冷凍技術の歴史と現在
・おいしさをそのまま凍らせる技術 —CAS冷凍—
冷凍温度や方法は魚によって様々!
魚介類が流通する形態には、大きく分けて「冷凍魚」「鮮魚」「活魚」「加工品」の4種類があります。
遠洋漁業で漁獲された魚介類は船上で、日本近海で獲れたものは水揚げされた港内の加工場で、マイナス60℃などの超低温で急速冷凍されます。
スーパーなどで未解凍のまま販売されている魚は、細胞レベルで品質変化が起こりにくい状態で、法律や規制により定められた基準に従って、所定の品質管理のもと店頭に並べられています。
その冷凍法は、魚介類の種類により色々あります。
いくつか調べてみました。
【マグロ】
獲った後すぐに締めて、内臓とエラを抜き、船上の冷凍庫で約マイナス60℃で一気に冷凍します。
陸では、マイナス50度の超低温冷凍倉庫へ運ばれ保存されます。
解体は冷凍マグロ専用の電動のこぎりで行うそうです。
【カツオ】
生きたままのカツオを、マイナス20℃前後の濃い塩水に入れて急速冷凍し、8時間かけて芯までしっかり凍結させてから、マイナス50度の超低温保冷庫で保存します。
【スルメイカ】
獲ってすぐ、船上で生きたまま約マイナス40℃で冷凍します。
【エビ】
獲ってすぐ、船上で生きたまま約マイナス40℃で冷凍します。
また、乾燥を防ぐため表面に氷の幕をつけて凍らせる方法や、40匹ほどを1つの氷に閉じ込める方法などもあります。
【サケ】
水揚げ後すぐに船上で締めて、漁港で内臓やエラを処理して急速冷凍します。
半身や切り身、刺身用、たたきなど様々な形状の冷凍サケがあります。
【カニ】
生のまま冷凍する方法と、水揚げ後にボイルしてから冷凍する方法があります。
浜でボイルしたものを「浜茹で」と呼ぶことも。
生冷凍はカニ鍋など旨みが引き出される料理におすすめで、ボイル冷凍は塩味がついているため解凍すればそのまま食べられる便利さが魅力です。
剥き身のポーションに加工された物も食べやすくお料理も簡単で人気があります。
【貝(貝柱)】
ホタテやカキなどの貝類は、殻が付いた状態では冷気が伝わりづらいため、殻を剥いてから冷凍することが多いようです。
表面に氷の膜を付着させる、パウチ包装してから冷凍する、パウチやパッケージを氷や水で満たした状態で凍らせる、などの方法があるそうです。
【イクラ】
サケをさばいて腹子をほぐした生のイクラをそのまま冷凍したものや、醤油漬けにしてから冷凍したものなどがあります。
冷凍しない鮮魚や活魚についても、調べてみました。
【鮮魚】
日本近海で獲れた魚は多くの場合、氷の入った魚倉(船の倉庫)に入れて漁港に運ばれ、セリにかけられて、冷凍(冷蔵)運搬車により運ばれます。
【活魚】
生きたまま流通し、料亭などの生け簀で飼われるのが「活魚」です。
水揚げ後、水槽の中に入れて市場まで運ばれます。
お店へは、袋に水と多めの酸素を入れて周りを氷で冷やした状態で届けられます。
<参考サイト>
・時間よ とまれ! 冷凍技術
・冷凍マグロの水揚げからお客様の元へ届くまで
・カツオ漁場と漁法
・時鮭「船上活〆」
・カニ鍋なら「生冷凍」と「ボイル冷凍」どっち? 冷凍カニの美味しい食べ方
・貝類の急速冷凍
・【CAS凍結】生いくら
・水揚げされた魚はどうやって鮮度をたもつ?
必見!家庭で魚を冷凍・解凍するコツやアイデア
2023年実施のあるアンケートによると、「肉や魚は冷凍保存に向かない」と思っている人のうち、58.5%が「肉や魚は冷凍保存すると味が落ちると思う」と回答してるんやて。
確かに、家で上手に冷凍・解凍して美味しさを保つのは難しいところもあるかも。
でも冷凍の仕組みやちょっとしたコツを知れば、魚をもっと活用できますよ!
魚を冷凍する時、水分が氷になると同時に身のタンパク質にくっついていた水分も氷に吸い寄せられ、タンパク質同士が近接します。
保存期間が長くなると、近接したタンパク質同士に強い科学的な結合ができ、解凍してもその結合が溶けないでタンパク質がくっついたままになります。
氷は融けて、旨みを含んだドリップが出てしまうため、パサパサとした食感になります。
また冷凍室の開閉による温度変化などにより、乾燥や変色を引き起こしたり、臭みが出たりするのです。
大切なのは、鮮度が良いものをその日のうちに冷凍すること。
乾燥を防ぐためには、スーパーで買ってきたパックのまま冷凍することは避けたほうが良いそうです。
丸ごと1尾の場合は、傷みやすい内臓やエラ、ウロコを取り除いてから。
切り身は、身の表面の水気をしっかりふき取り、皮の面を下にして冷凍すると変形しにくいとのことです。
魚が空気に触れると乾燥や酸化を引き起こしたり、他の食材ににおいが移ったりする場合があるので、空気が入らないようラップに包んで、さらにジッパー付き保存袋に入れて冷凍するのがおすすめなんやて。
熱の伝導率が高いアルミやステンレス製のトレイに乗せると、冷凍時間が短くできるそうです。
保存期間は2週間程度が目安。
ハマグリやアサリなどの貝類は、砂抜きして水気をしっかり拭き取り、ジッパー付き保存袋で密閉して冷凍すれば、凍ったまま調理できるそうですよ。
また、ジッパー付き保存袋に調味液を一緒に入れて冷凍する「下味冷凍」なら、調味料が表面をコーティングすることで乾燥を防いでくれるうえ、タンパク質分子の結合を抑えて食感を変わりにくくできる、保存期間1カ月程度とより長持ちする、などのメリットがあるそうです。
醤油や味噌、塩麴やドレッシングなどで下味冷凍したものを、朝、冷凍庫から冷蔵庫に移しておけば、夕方には解凍されているのですぐに加熱調理することができて、晩ご飯の支度の時短になりますよ!
これは便利やね〜!
冷凍した魚を解凍するコツは、魚の水分が溶けだして旨みや栄養分が逃げてしまわないよう、急な温度変化を避け、冷蔵庫内でゆっくりと時間をかけて行うこと。
急ぐ場合は、直接水が当たらないように流水解凍する、電子レンジの解凍機能を利用し、加熱ムラが起こらないよう様子を見ながら少しずつ加熱する、などの方法もあります。
水分や栄養分が逃げにくい半解凍状態を目指すのがおすすめだそうです。
凍ったまま調理する場合は、やや濃いめの調味液に漬け込む、塩コショウと衣をつけて低温で揚げる、といった方法があるそうです。
干物を冷凍した場合は、解凍せずそのままグリルで調理できるんやって。
ちなみに、焼き魚やフライなど、調理した魚をラップで包み、ジッパー付き保存袋に入れて冷凍しておけば、そのまま電子レンジで温めなおすだけでOK。
朝ご飯やお弁当の一品になるから、忙しい朝に余裕ができますよ!
<参考サイト>
・肉、魚は冷凍するとおいしさが長持ちしない?
・冷凍のお魚を美味しく食べる方法
・【魚の正しい冷凍】臭みが気になるなら、方法が間違ってるかも!?
・【魚の下味冷凍】臭みが取れる&味が染み込む! おすすめ味バリエ4つ
・魚の冷凍保存方法を解説。おいしく冷凍・解凍するコツとアレンジレシピも
・鮮度キープ!魚の冷凍保存方法
・種類に合わせて冷凍・解凍を|魚の冷凍・解凍・保存方法
・魚を冷凍保存するやり方は?魚の種類別に解凍方法も合わせて解説!
<高浜商店の美味しいお魚>
北海道産 【刺身用】ホタテ貝柱 (冷凍)
何かと便利なホタテ貝柱の冷凍パックです!!
生食用の北海道産ホタテ貝柱です。解凍後にそのままお刺身でも召し上がっていただけます。
柔らかくて食べやすいのでご年配の方からお子様にも自信を持っておすすめできます。
さまざまなお料理にも使いやすいバラ凍結で、必要な分だけを解凍してご使用いただけます。
各種サイズは、粒の大きさを揃えて袋詰めしているので業務用としても使いやすいです。
粒のサイズも各種ご用意していますので、さまざまなお料理にあわせてお使いいただけます。
お寿司やお刺身はもちろん、お酒のアテとしてバター焼きやカルパッチョ、かき揚げなどのお料理の具材に。また、カレーやシチュー、鍋の具材としてお使いいただければ、良い出汁も出て旨味が増すのでおすすめです。
<高浜商店の商品紹介>
北海道産 【刺身用】ホタテ貝柱(冷凍)
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